○みよし広域連合消防本部患者等搬送事業指導及び認定要綱
令和3年12月20日
告示第30号
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 患者等搬送事業の基準(第3条―第13条)
第3章 乗務員適任証の交付及び講習(第14条―第19条)
第4章 認定基準(第20条―第33条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この要綱は、みよし広域連合消防本部管轄区域内の民間による患者等の搬送事業者に対し、必要な指導を行うとともに、一定の基準に適合する患者等の搬送事業者の認定を行うことにより、患者等の生命及び身体の安全を図ることを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この要綱における用語は、次に定めるところによる。
(1) 患者等寝たきりの人、身体障害者及び傷病者等をいう。
(2) 患者等搬送事業 患者等を医療機関への入退院、通院及び転院並びに社会福祉施設等への送迎に際し、ベッド等を備えた専用車(以下「患者等搬送用自動車」という。)を用いて搬送を行う事業をいう。
(3) 患者等搬送事業者 患者等搬送事業を行う事業所の経営者又は管理責任者をいう。
(4) 患者等搬送業務 患者等搬送用自動車を使用し、患者等を搬送する業務をいう。
(5) 乗務員 患者等搬送用自動車に乗務し、患者等搬送業務に従事する者をいう。
第2章 患者等搬送事業の基準
(患者等搬送業務実施の基本原則)
第3条 患者等搬送事業者は、事業の社会的責任を十分自覚し、関係法規を遵守しなければならない。
2 患者等搬送事業者は、生命に危険があり又は症状が悪化すると認められ、緊急に医療機関その他の場所に搬送しなければならない患者等を、搬送の対象にしてはならない。
3 患者等搬送事業者は、当該事業所、患者等搬送用自動車及びパンフレットその他これらに類するものに消防機関の行う救急業務と紛らわしい表示をしてはならない。
(応急手当の実施)
第4条 患者等搬送事業者は、患者等搬送業務中は、症状の悪化防止に万全の配慮を行うものとし、当該業務中において症状が悪化し、緊急を要する場合は、応急手当を実施するものとする。
(消防機関への通報)
第5条 患者等搬送事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、患者等の所在する場所、状態、既往症及び掛かり付けの医療機関等の情報を消防機関に通報し、救急自動車の出動を要請するものとする。
(1) 患者等の搬送依頼時の依頼内容、症状の聴取結果から緊急に医療機関に搬送する必要があると認められるとき。なお、この場合は併せて乗務員を派遣すること。
(2) 患者等の搬送依頼があった場所に到着後、症状等から緊急に医療機関へ搬送する必要があると認められるとき。
(3) 患者等の搬送途上の、症状が悪化した場合等救急自動車によって緊急に医療機関へ搬送する必要があると認められるとき。
2 乗務員は、前項により救急自動車が到着したときは、救急隊に協力するものとする。
(乗務員の資格要件)
第6条 乗務員は、満18歳以上の者で、次の各号のいずれかに該当するものをもって充てるものとする。
(1) 第14条に規定する消防機関が行う、乗務員適任証取得講習を修了した者
(2) 第15条第1項に規定する者
(運行体制)
第7条 患者等搬送事業者は、患者等搬送用自動車1台につき2人以上の乗務員をもって業務を行うものとする。ただし、次に掲げる場合は、乗務員を1人とすることができる。
(1) 医師又は看護師が同乗するとき。
(2) 退院を目的とした運行をするとき。
(3) 医師の指示によりあらかじめ決められた通院をするとき。
(4) 老人ホーム、各種福祉施設等への送迎をするとき。
2 患者等搬送事業者は、車椅子のみを固定できる患者等搬送用自動車(以下、「車椅子専用」という。)1台につき1人以上の乗務員を持って業務を行うものとする。ただし、搬送中に患者等の容体が急変する可能性が高い等の理由から1人での搬送が困難な場合においては、医師を同乗させる、乗務員を増員する等、安全に搬送できる体制をとることとする。
(知識及び技能の維持向上)
第8条 患者等搬送事業者は、乗務員に患者等の安全搬送に関する知識及び技能の向上に努めさせるものとする。
2 患者等搬送事業者は、乗務員に対して2年に1回以上、別表第1に掲げる定期講習を受講させるものとする。
(患者等搬送用自動車の要件)
第9条 患者等搬送用自動車の構造及び設備は、次の定めるところによる。
(1) 十分な緩衝装置、換気及び冷暖房の装置を有すること。
(2) 乗務員が業務を実施するために必要なスペースを有すること。
(3) ストレッチャー、車椅子等を確実に固定できる構造であること。なお車椅子専用にあっては、安全かつ容易に車椅子の乗降を行うための設備(スロープ、リフト等)を自動車に備えること。
(4) 通信連絡に必要な電話又は無線機等の設備を有すること。
(5) サイレン及び赤色警光灯を装備する等、救急車と紛らわしい外観を呈していないこと。
(積載資器材の種別)
第10条 患者等搬送用自動車には、別表第2に掲げる資器材を備えるものとする。
(消毒の実施要領)
第11条 患者等搬送用自動車及び積載資器材の消毒は次により行うものとする。
(1) 毎月1回以上定期消毒を行うこと。
(2) 搬送ごとに使用後消毒を行うこと。
(3) 医師から消毒について特別な指示があった場合は、当該指示に基づいた消毒を行うこと。
(安全衛生管理)
第12条 患者等搬送用自動車及び積載資器材については、点検整備を確実に行い、清潔保持に努めること。
2 患者等の搬送に当たっては、患者等及び同乗者に対して固定用ベルトを装着させるなど、安全搬送のための措置を講じなければならない。
3 乗務員は、常に身体の清潔の保持等に留意し、衛生管理に努めなければならない。
4 乗務員の服装は、患者等搬送業務にふさわしいものとし、常に清潔の保持に努めなければならない。
(事業案内)
第13条 パンフレット等の事業案内には、救急隊と同じレベルの活動ができるかのような表現は避けなければならない。
第3章 乗務員適任証の交付及び講習
(1) 救急救命士の資格を有する者及び消防法施行規則第51条に定める救急業務に関する講習課程を修了した者
(2) 日本赤十字社が発行する救急法の適任証の資格を有する者のうち別表第4に掲げる講習(以下「補習講習」という。)を修了した者
(3) その他消防長が前各号に掲げる同等以上の知識及び技能を有していると認める者
4 乗務員は、消防長が交付した適任証を携帯して搬送業務に従事しなければならない。
(1) 講習実施日時及び場所、その他受講に必要な事項を事前に患者等搬送用事業者及び講習の受講者等に広く知らせるものとする。
(2) 講習受講申請があったときは、講習申請受理簿(別記様式第6号)により受理して講習を行うものとする。
(3) 乗務員適任証取得講習及び補習講習については、その結果を講習結果通知書(別記様式第7号)により受講者に通知するものとする。
(4) 講習に必要な教本等の経費は、受講者において負担するものとする。
(適任証の有効期限)
第17条 適任証の有効期限は、2年間とする。ただし、別表第1に掲げる定期講習を受けた者は、更に2年間有効とし、それ以降も同様とする。
(適任証の再交付)
第18条 適任証の交付を受けている者が、その適任証を亡失し、破損し、又は汚損したときは、適任証再交付申請書(別記様式第8号)を提出し、再交付を受けることができる。
(適任証の返納)
第19条 適任証を交付した消防長は、乗務員が業務上ふさわしくない行為を行ったと認めたときは、返納通知書(別記様式第10号)により適任証の返納を求めることができる。
第4章 認定基準
(患者等搬送事業の認定)
第20条 消防長は、第2章に規定する患者等搬送事業の基準に適合する患者等搬送事業者に対して、患者等搬送事業の認定(以下「認定」という。)をすることができる。
(認定対象の事業者)
第21条 認定の対象となる事業者は、道路運送法(昭和26年法律第183号)に定める次の各号のいずれかに該当する者をいう。
(1) 一般乗用旅客自動車運送事業の許可取得者
(2) 一般貸切旅客自動車運送事業の許可取得者
(3) 特定旅客自動車運送事業の許可を受けた者
(4) 自家用有償旅客運送の登録を受けた者
(認定の申請)
第22条 認定を受けようとする患者等搬送事業者は、患者等搬送事業者認定(更新)申請書(別記様式第11号)により消防長に申請するものとする。
2 消防長は、前条に基づき認定した認定事業者(車椅子専用)に対して認定証(別記様式第18号)、事業者認定マーク(車椅子専用)(別記様式第19号の2)及び自動車認定マーク(車椅子専用)(別記様式第20号の2)を交付するとともに、認定事業者(車椅子専用)から受領書(別記様式第21号)を徴収するものとする。
(認定証等の掲示)
第25条 事業者認定マークは、患者等搬送事業所に掲示するものとする。
2 自動車認定マークは、患者等搬送用自動車後側で運転者の視野を妨げない見やすい位置に貼付するものとする。
(認定の有効期限及び認定の更新)
第26条 認定の有効期限は、認定を受けた日の翌日から起算して5年とする。
2 認定事業者は、継続して認定を受けようとするときは、消防長に対し、患者等搬送事業者認定(更新)申請書(別記様式第11号)により、認定の期間が満了する1箇月前から満了する日までの間に更新の申請をするものとする。
(認定証等の再交付)
第27条 認定事業者は、認定証等を亡失し、滅失し又は破損したときは、消防長に対して認定証等再交付申請書(別記様式第26号)を提出し、再交付を受けることができる。
(事業の休止等)
第28条 認定事業者は、患者等搬送事業の全部若しくは一部を休止し又は廃止したときは、事業の休止廃止届出書(別記様式第28号)により、速やかに消防長に届け出るものとする。
(1) 患者等搬送事業に支障を及ぼす重大な事故を発生させたとき。
(2) 消防長が、特に報告を求めたとき。
2 患者等搬送事業者は、患者等搬送状況記録表(別記様式第31号)に記入し保管するものとする。
(認定事業者の調査及び指導)
第30条 消防長は、年1回以上認定事業者に対して、第23条に準じて調査を行うものとする。
(認定の取消し)
第31条 消防長は、次の各号のいずれかに該当し又はそのおそれがあると認めるときは、認定事業者に対して認定取消し調査書に基づいて調査するものとする。
(1) 認定事業者が指導基準を遵守しないとき。
(2) 業務の遂行に当たって、重大な事故を発生させたとき。
(3) その他認定を継続することが不適当と判断されるとき。
(認定の失効)
第32条 認定は次の各号のいずれかに該当するとき、その効力を失う。
(1) 道路運送法に定めるところにより、国土交通大臣の許可等が取り消され又は失効したとき。
(2) 患者等搬送事業を廃止したとき。
(3) 認定の有効期間が満了し、更新の認定を受けないとき。
(4) 前条により認定を取り消されたとき。
(認定証等の返納)
第33条 認定事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、認定証等を消防長に返納しなければならない。
(1) 前条により認定の効力を失ったとき。
(2) 患者等搬送用自動車の数を減じたとき。(当該車両の自動車認定マーク)
附則
この告示は、公布の日から施行する。
別表第1(第8条、第17条関係)
定期講習実施基準表
1 定期講習カリキュラム | |
講習科目 | 時間(1単位は45分・合計3単位) |
(1) 観察要領及び応急処置 | 2単位 |
(2) 体位管理要領 | 1単位 |
2 講師 次の各号のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。 (1) 救急隊長として3年以上の実務経験を有し、応急手当指導員の資格を有した者で消防長が適任と認めた者 (2) 救急救命士の資格を有する者で、消防長が適任と認めた者 (3) 消防大学校の救急科課程を修了した者で、消防長が適任と認めた者 3 その他 講習資料は、消防長が別途定める。 |
別表第2(第10条関係)
患者等搬送用自動車積載資器材表
項目 | 資器材名 |
呼吸管理用資器材 | ※バックバルブマスク ポケットマスク |
保温用等資器材 | ※敷物 保温用毛布 担架 枕 |
創傷等保護用資器材 | 三角巾 ガーゼ 包帯 タオル 絆創膏 |
消毒用資器材(車両・資器材用) | 噴霧消毒器 各種消毒薬 |
その他の資器材 | はさみ マスク ※ピンセット 手袋 膿盆 汚物入れ 体温計 AED その他必要な物品 |
「※」は車椅子専用では任意の積載とする。
「AED」は、いずれの車両についても、任意の積載とする。
別表第3(第14条関係)
乗務員適任証取得講習実施基準表
1 適任証取得講習カリキュラム | |||
講習科目 | 時間(1単位は45分・合計24単位) | ||
(1) 総論 | 1単位 | ||
(2) 観察要領 | 3単位 | ||
(3) 応急処置 | 10単位 | ||
(4) 体位管理要領 | 2単位 | ||
(5) 消防機関との連携要領 | 2単位 | ||
(6) 車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 2単位 | ||
(7) 搬送法 | 2単位 | ||
(8) 修了考査 | 2単位 | ||
2 合否の判定 | |||
考査科目 | 配点 | 合格点 | |
実技 | 観察要領 | 20点 | 16点以上 |
応急処置 | 40点 | 32点以上 | |
筆記 | 総論・消防機関との連携要領 | 20点 | 16点以上 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 20点 | 16点以上 | |
3 講師 次の各号のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。 (1) 救急隊長として3年以上の実務経験を有し、応急手当指導員の資格を有した者で消防長が適任と認めた者 (2) 救急救命士の資格を有する者で、消防長が適任と認めた者 (3) 消防大学校の救急科課程を修了した者で、消防長が適任と認めた者 | |||
4 その他 (1) 受講者には講習結果通知書(様式第7号)により通知するものとする。 (2) 各考査科目において合格点に満たない者は再講習を行うものとする。 (3) 講習資料は、消防長が別途定める。 (4) 1(2)観察要領及び1(3)応急処置には、一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含むものとする。 |
別表第3の2(第14条関係)
乗務員適任証取得講習実施基準表(車椅子専用車)
1 適任証取得講習カリキュラム | |||
講習科目 | 時間(1単位は45分・合計16単位) | ||
(1) 総論 | 1単位 | ||
(2) 観察要領 | 2単位 | ||
(3) 応急処置 | 7単位 | ||
(4) 体位管理要領 | 1単位 | ||
(5) 消防機関との連携要領 | 2単位 | ||
(6) 車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 1単位 | ||
(7) 搬送法 | 1単位 | ||
(8) 修了考査 | 1単位 | ||
2 合否の判定 | |||
考査科目 | 配点 | 合格点 | |
実技 | 観察要領 | 20点 | 16点以上 |
応急処置 | 40点 | 32点以上 | |
筆記 | 総論・消防機関との連携要領 | 20点 | 16点以上 |
車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 20点 | 16点以上 | |
3 講師 次の各号のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。 (1) 救急隊長として3年以上の実務経験を有し、応急手当指導員の資格を有した者で消防長が適任と認めた者 (2) 救急救命士の資格を有する者で、消防長が適任と認めた者 (3) 消防大学校の救急科課程を修了した者で、消防長が適任と認めた者 | |||
4 その他 (1) 受講者には講習結果通知書(様式第7号)により通知するものとする。 (2) 各考査科目において合格点に満たない者は再講習を行うものとする。 (3) 講習資料は、消防長が別途定める。 (4) 1(2)観察要領及び1(3)応急処置には、一定頻度者が受講する講習と同等の内容を含むものとする。 |
別表第4(第15条関係)
補習講習実施基準表
日本赤十字社が発行する救急法の適任証の資格を有する者が、第15条の特例認定による適任証の交付を受ける場合は、次の補習講習を修了しなければならない。 1 補習講習カリキュラム | ||
講習科目 | 時間(1単位は45分・合計7単位) | |
(1) 総論・消防機関との連携要領 | 1単位 | |
(2) 車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 2単位 | |
(3) 患者等の観察・心肺蘇生法等の応急処置 | 3単位 | |
(4) 修了考査 | 1単位 | |
2 合否の判定 | ||
考査科目 | 配点 | 合格点 |
(1) 総論・消防機関との連携要領 | 20点 | 16点以上 |
(2) 車両資器材の消毒及び感染防止要領 | 30点 | 24点以上 |
(3) 患者等の観察・心肺蘇生法等の応急処置 | 50点 | 40点以上 |
3 講師 次の各号のいずれかに該当する者をもって充てるものとする。 (1) 救急隊長として3年以上の実務経験を有し、応急手当指導員の資格を有した者で消防長が適任と認めた者 (2) 救急救命士の資格を有する者で、消防長が適任と認めた者 (3) 消防大学校の救急科課程を修了した者で、消防長が適任と認めた者 | ||
4 その他 (1) 受講者には講習結果通知書(様式第7号)により通知するものとする。 (2) 各考査科目において合格点に満たない者は再講習を行うものとする。 (3) 講習資料は、消防長が別途定める。 |